予防接種は、制度の違いから「定期接種」と「任意接種」に分けられます。
予防接種
Vaccination
Vaccination
ヒブや肺炎球菌などの細菌が血液から脳を包み込んでいる髄膜に入り込み、炎症を起こす病気です。
1歳未満で多く発症しやすいと言われています。
初期は発熱だけのことも多いです。そのため早期発見が難しい病気です。また、進行すると意識障害、けいれんなども見られます。
生後2ヶ月〜5歳未満が接種対象です。生後6ヶ月〜1歳での発症が多いため、生後6ヶ月までに3回の接種を行いましょう。
※生後7ヶ月を超えると、接種回数が異なります。
のどや鼻、目の結膜など粘膜に起こる病気です。
のどが腫れて息ができなくなることや、菌が出す毒素によって、心筋炎が起こる可能性もあります。
軽いかぜ症状から始まります。特徴的な激しいせき(お顔を真っ赤にして連続的に咳き込む)が続き、回復までには2〜3ヶ月かかります。
肺炎や脳症など重症化するケースもあります。
土壌中の菌が傷口から感染して起こる病気です。
顔面の硬直や、全身性のけいれんなども起こることがあります。ワクチンの接種でのみ、十分な免疫ができます。
ポリオウィルスは口から感染しますが、感染者の95%は無症状です。出ても風邪のような症状だけですが、中には手足に麻痺が起こるとされています。(約1,000〜2,000人に一人)。
4種類の病気に対する免疫を一度につけることが可能です。乳幼児の百日せきを予防するためにも、生後3ヶ月を迎えたら早めに接種をしましょう。
接種回数は計4回です。スケジュールなどは、当医師とともに相談しながら組み立てますので、まずはご相談ください。
2期として、11歳になったら1回接種します。1期に受けていただいたDPTやDPT-IPVの接種で得た免疫をより強固にしてくれます。
1期に4回の接種ができていないお子様は一度ご相談ください。
肺に感染して起こる肺結核が多く、ご年配の方が発症するケースが多いですが、赤ちゃんにかかってしまうことも少なからずあります。
生後5ヶ月から7ヶ月での接種を行うようにしましょう。
対象年齢は、生後12ヶ月未満です。通常生後5〜8ヶ月未満で1回接種します。細い9本の針を皮膚に押し付けるスタンプ方式の予防接種となります。
発熱後、3〜四日して全身に赤い発疹が現れ、高熱が続く病気です。感染力も強く、お子様だけではなく大人も重症化しやすい病気となります。
感染者の約15%は無症状と言われています。麻疹(はしか)より症状は軽く、発熱や発疹、リンパ節の腫れが特徴です。
特に注意したいのが、妊娠初期の女性がかかると生まれつきの難聴、白内障、心臓などを持った先天性風疹しん症候群のお子さんが生まれることがあります。
1歳になったらなるべく早く接種しましょう。接種後1週間くらいで熱がでる子が5〜20%くらいいますが、普通は1〜2日でおさまるので心配はいりません。
もし痙攣などの症状がみられたら、すみやかに医療機関を受診してください。
また、より強い免疫を得られるように2回の接種が必要です。2回目は、小学校修学前の1年間に接種してください。
ウィルスを持つ蚊にさされて、人に感染します。ただし、人から人への感染はありません。発症すると重症化してしまう可能性があります。発症は感染者の100〜1,000人に1人程度とは言われております。
3歳からの接種が標準的です。しかし、生後6ヶ月から定期接種が可能です。
接種回数は4回です。
第1期: 1~4週間隔で2回、2回目の約1年後に3回目を接種します。3回の接種で基礎免疫をつけたことになります。
第2期:9~12歳に1回接種します。
HPVとは、女性の約80%が一度は感染すると言われているウィルスです。通常は自然に治っていきますが、まれに子宮頸がんを発症することもあります。
HPVは、多くの型があり、ワクチンで全ての感染を防ぐことができないため、定期的な医療機関の受診をしていただくことが大切です。
小6〜高校1年生女子が対象です。
※推奨年齢以上の女性でも感染を予防するうえでワクチンの接種は有効です。詳しくは、産婦人科医とご相談ください。
感染力が強く、流行しやすい病気です。症状は、発疹が水ぶくれになり、かゆみとともに全身に広がります。
1歳から接種できます。1回目の接種後、約3ヶ月たったら2回目を受けるようにしましょう。地域で流行していなくても、かかりやすい病気です。
家族や集団生活で感染することもあります。赤ちゃんが感染すると、体内にウィルスを持つ状態になりやすく、将来、慢性肝炎や肝硬変になるリスクもあります。
また母子感染や輸血だけではなく、知らない間にかかることも多いので、定期接種になっております。
生後すぐから受けられ、0歳の間に3回の接種が必要です。生後2ヶ月で受けるヒブ、小児用肺炎球菌、ロタワクチンとの同時接種が可能です。
生後6ヶ月から2歳をピークに、ほとんどのお子さんがかかります。症状は、発熱と嘔吐から始まり、下痢を起こします。自然に治ることが多いのですが、中には脱水症状からショックや脳症などの合併症を起こしてしまうお子さんもいらっしゃいます。
飲むワクチンです。種類は2種類あり、それぞれの接種回収やスケジュールが異なりますので、医師の指示にしたがって接種を行うようにしてください。
発熱や耳下腺が特徴です。回復が難しい難聴や、無菌性髄膜炎などの合併症も多い病気になります。
1歳を迎えたら1回接種をしましょう。より強い免疫を得るには、就学前に2回目を接種していただきます。
インフルエンザウイルスによる感染症で、感染力が強く、合併症、重症化することから、普通のかぜとは分けて考えるべきです。発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感、呼吸器症状(咳、鼻水、のどの痛みなど)といった症状が認められ、全身症状が強く重病感があります。肺炎や脳症・脳炎などを合併することもあり、高齢者や乳児では死亡することもあります。治療には、抗インフルエンザウイルス薬があります。
ただし、インフルエンザにかかってから2日以内に投与しないと効果が少ないため、早期診断・治療が重要です。インフルエンザの予防として、最も効果的な方法はインフルエンザワクチンの接種です。感染を完全に予防できなくても、発熱期間が短縮したり、病気を軽くするのに有効です。
生後6ヶ月からの接種が可能です。次の流行が予想されるウィルスを使ってワクチンが作られているため、毎年の接種が必要です。